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2018年(平成30年)6月28日  木曜日

Q.
  当社の従業員を懲戒処分するに当たり、事実関係を調査するため、本人を自宅待機に
  させようと考えています。当社の就業規則には、自宅待機の規定がありません。
  自宅待機を命じることは可能でしょうか。
  

A.
 出勤停止や懲戒解雇など労働者の懲戒処分を決定する前の措置として、使用者が労働者に一定期間、就労を禁止することを「自宅待機命令」といいます。これは、懲戒処分をするかどうか、どのような処分をするかについて決定するまでの間、職場に悪い影響が生じることを避けるためなどに行われます。
 自宅待機命令は、就業時間中、自宅や使用者からの連絡が可能な場所に待機し、出勤するように言われれば、直ちにこれに応じる態勢を整えておくことを命じるものです。
 使用者は、就業規則上の根拠がなても、労務指揮権に基づいて命じることができます。ただ、自宅待機命令が業務上の必要性を欠いたり、不当に長期にわたるなど、労働者の就労する利益(職業能力の維持)や行動の自由を著しく侵害する場合は、権利の乱用として無効になり、不法行為が成立する場合もあります。
 判例では、非違行為の事実調査を尽くさないまま継続された半年間の自宅待機命令を違法としたものもあります。使用者は、自宅待機期間中の賃金の支い払義務を負うと解されています。
 事故発生や不正行為の再発、証拠隠滅の恐れなど、当該従業員の就労を許容しないことについて、実質的理由が認められる場合には、賃金を支払わない措置も可能になる場合があります。賃金を支払わない措置は例外的であり、そのような措置を行うには慎重な対応が必要です。




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