Top Pageへ         


   
2017年(平成29年)7月13日  木曜日

Q.
  他の者に比べて昇進や昇格が遅いと言って、差別だと主張している従業員がいます。
  昇進や昇格が差別として違法と判断されることがあるのでしょうか。
  

A.
 昇進とは、会社組織の指揮命令系統の中で上の立場になること(一般社員から係長、課長など)です。昇格は、社内だけで運用されている能力を判断するシステム(職能資格制度)の中、で評価が上がることをいいます。
 どの従業員をどのように昇進・昇格させるかは、企業運営の根幹にかかわる事項であり、使用者の広い裁量に委ねられています。従業員間で昇進・昇格に差がついても違法とされることはないのが原則です。
 もっとも@均等待遇、A男女差別規制、B不当労働行為、C人事権の乱用―などで法に抵触する場合には違法と判断されます。
 均等待遇とは、使用者が労働者の国籍や信条、社会的身分を理由として、差別的取り扱いをしてはならないとする原則です。男女差別規制や不当労働行為も同様に、性別を理由とした差別的取り扱い、労働組合の活動等をしたことによる不利益な取り扱いを禁止する原則です。
 従って、日本国籍を有しないことや特定の宗教団体や特定政党への所属、女性労働者についてのみ婚姻や子を有している、労働組合の活動をしている―などを理由に昇進・昇格させない場合は違法となります。
 また、使用者は昇進・昇格について広い裁量がありますが、それを乱用することがあってはならないとされています。そのため人事評価の前提となる事実について誤認があったり、不当な動機により低い評価をしたため、合理性を欠く評価となり、その結果昇進・昇格させなかった場合も人事権の乱用として違法になります。





法律あれこれ 一覧へ


Copyright(C)2009 Matsuda law office All Rights Reserved.