Top Pageへ         


   
2017年(平成29年)3月15日  水曜日

Q.
  当社の従業員が会社に無断でアルバイトをしています。就業規則には兼職を禁止する規定が
  定められていますが、懲戒処分は、どのような基準で判断するのでしょうか。
  

A.
 労働時間以外の時間をどのように利用するかは労働者の自由で、兼職は原則自由と考えられています。しかし、労働者は労働時間外にも会社に対し誠実義務を負うので、就業規則で兼職禁止規定を設けて兼職を制約することができます。ただ、無制限に制約することができるわけではなく、労働者の自由を不当に制約しない範囲において兼職禁止規定の適用が有効と考えられています。
 具体的は、@兼職が会社での労働を不能または困難にするものA兼職が企業秩序を著しく乱すもの―かを基準に判断されます。
 判断にあたっては、兼職の目的(競業他社か否か、企業秘密流出の危険の有無)、兼職の態様(兼職の時間・職種、本来の勤務との重複・隣接、企業イメージを損なうもの)、期間(継続的な雇用関係かアルバイトにとどまるか)―などが考慮されます。
 裁判例では、建設会社の事務員がキャバレーで勤務した事案について、キャバレーでの勤務時間が1日6時間で深夜に及ぶことを重視して懲戒を有効と判断しました。またタクシー運転手が新聞販売店の業務に従事した事案では、新聞販売店での業務が始業時刻前の2時間で、月収6万円の時期は兼職禁止規定に違反しないとしました。一方、始業後にも従事し月収15万円となった時期は、兼職禁止規定に違反するとしました。これは@の就労への影響の観点から判断したものといえます。
 また、消防職員がテレフォンクラブに類似した兼業を行った事案について、懲戒免職処分が適法と判示しました。これはAの企業秩序の観点から判断したものといえます。






法律あれこれ 一覧へ


Copyright(C)2009 Matsuda law office All Rights Reserved.