Top Pageへ         


      
2016年(平成28年)9月15日  木曜日

Q.
  従業員が会社に損害を与えた場合、会社は従業員に対し損害賠償請求をすることが
  できるのでしょうか。またそのような場合に備えて従業員と違約金を定める契約を
  することはできますか。
  

A.
 従業員が会社に対し損害を与えた場合にはその損害を賠償する責任が生じます。しかし、会社は従業員の活動によって利益を得ていますから、それにより被った損害についても負担すべきと考えられています。つまり会社は損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度においてのみ従業員に対して損害賠償の請求をすることができるにすぎません。
 具体的な判断においては、@従業員の帰責性(故意・過失の有無・程度)、A従業員の地位、職務内容、労働条件、B損害発生に対する会社の寄与度(指示内容の適否、加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度等)、C事業の性格、規模などが考慮されます。
 従業員に重大な過失まで認められないケースでは他の事情も考慮して会社からの損害賠償請求が認められないこともあります。重大な過失が認められるケースであっても事情を考慮して従業員の責任が4分の1、場合によってはそれ以下に制限されることもあります。もっとも、横領など故意による悪質な不正行為などではこうした責任制限はされません。
 お尋ねのように雇用契約においてあらかじめ違約金等を定めることは労働基準法により禁止されています。なお労働契約締結にあたり身元保証契約を締結することがよくありますが、身元保証契約には存続期間の制限があり、自動更新の規定は無効とされ、勤務地や勤務内容の変更により身元保証人の責任が重くなるような場合には身元保証人への通知義務があり、また責任制限法理などもあるため注意が必要です。





法律あれこれ 一覧へ


Copyright(C)2009 Matsuda law office All Rights Reserved.