Top Pageへ         


      
2016年(平成28年)7月8日  金曜日

Q.
  震災により私が所有し管理しているブロック塀が倒れ、隣の家の車が傷ついてしまいました。
  修理費を支払わなければならないのでしょうか。
  

A.
 民法717条は土地の工作物の設置または保存の瑕疵によって他人に損害が生じたときには第1次的には工作物の占有者が責任を負い、占有者に注意義務違反がないときには所有者が責任を負うとしています。
 ご質問のブロック塀は土地の工作物にあたりますので、設置または保存に瑕疵がある場合には責任を負うことになります。瑕疵とは通常備えるべき安全性を欠いていることを意味しますので、当該ブロック塀が通常備えるべき安全性を欠いていたかどうかが問題になります。
 この点、宮城沖地震によりブロック塀が倒壊して通行人が死亡した事故について、裁判所は、ブロック塀に瑕疵があったかどうかは、当該ブロック塀がその築造された当時仙台市近郊において通常発生することが予測可能な地震のうち最大級のものに耐えられるか否かを基準にするとしました。その上で当該ブロック塀が築造された当時震度5程度の地震が予測可能な最大級の地震であったとして、震度5の地震に耐えうる安全性を有していたかどうかを検討しました。その後の裁判例も類似の判断をしています。
 そのため、ご質問のケースでは、当該ブロック塀が建築された当時近郊において予測されていた地震の最大級の震度がどの程度であったかが問題になります。それ以下の震度で倒壊した場合には瑕疵があるとして責任を負う可能性が高く、それを越える震度であれば責任を負わない可能性が高いと考えます。
 もっとも、予測震度を超えた地震であっても手抜き工事により倒壊したことが判明した場合(例えば近隣のブロック塀は倒れておらず、倒壊したブロック塀に構造的な問題があることが判明した場合)には責任を負う可能性があると考えます。





法律あれこれ 一覧へ


Copyright(C)2009 Matsuda law office All Rights Reserved.