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2016年(平成28年)5月25日  水曜日

Q.
  当社は労働組合と団体交渉(団交)を重ねてきましたが、主張が平行線をたどっています。
  これ以上団交を開いても無意味だと思っており、再び申入れがあった場合に拒否することは
  できないのでしょうか。
  

A.
 使用者は正当理由なく団交を拒否することができませんが、団交も交渉である以上使用者は労働組合の要求に対して承認譲歩する義務を負うものではありません。
 使用者が組合からの団交申入れ事項に誠意をもって交渉したにもかかわらず、労使相互に譲歩の意思がないことが明白になった場合には、使用者は団交申入れを拒否することができます。この誠実交渉義務を尽くしたか否かは、交渉時間回数が十分確保されていたか、説明が十分されていたかなどの要素により客観的に判断されます。
 裁判例において誠実交渉義務違反とされたものとしては、使用者が交渉のテーブルにつかず文書の往復や電話のみによる対応の事案、合意達成の意思のないことを最初から明確にした事案、交渉権限のない者による対応した事案、拒否回答や一般論のみで議題の内容につき実質的な検討をしない事案、主張の根拠を具体的に説明したり必要な資料の提示をしない事案があります。
 労使双方が議題について主張・提案・説明を尽くしこれ以上交渉を重ねても進展の見込みがない段階に至った場合には使用者としては誠実交渉義務を尽くしたといえ、団体交渉を打ち切ることが可能となります。
 また組合側が誠実に交渉しようという意思のない場合にも交渉打ち切りに正当理由が認められることがあります。もっとも、交渉打ち切り後も、交渉再開が有意義となるような事情の変化が生じた場合には使用者に交渉再開に応じる義務が生じる場合があります。




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