Top Pageへ         


      
2016年(平成28年)3月31日  木曜日

Q.
  従業員を採用した際に経歴詐称があった場合には解雇することができますか。
  

A.
 経歴詐称とは、履歴書や採用面接において、最終学歴や職歴、犯罪歴等を偽ったり、真実を告知せずに秘匿することです。
 裁判例は、経歴詐称を理由とする解雇の有効性について、詐称にかかる経歴が企業の種類、性格に照らして、当該事実が事前に発覚すれば、その者を雇用しなかったと考えられる場合であり、かつ客観的にもそのように認めるのが相当か否かという基準により判断しています。
 例えば、学歴詐称については、特定の学歴を重視している場合、学歴が適格性判断の上で重要な要素の場合には解雇を有効としています。
 職歴の詐称については、タクシー乗務経験を偽ったケース、コンピュータープログラムに必要なJAVA言語プログラマーとしての能力を偽ったケースについて解雇を有効としています。
 犯罪歴については、逮捕勾留起訴され、公判係属中であることを秘匿していたケースについて、履歴書欄の賞罰欄の「罰」とは一般的には確定した有罪判決をいい公判係属中の事件については「罰」に含まれないとして記載する必要はないとし、また起訴猶予事案等の犯罪歴(いわゆる前歴)についても記載する必要はないとしています。刑の執行から10年を経過した場合には刑の言い渡しが効力を失うとされていることから(刑法34条の2)、その場合には記載の必要がないとしています。
 他方そのような場合でなければ履歴書に賞罰に関する記載欄がある限り記載しなければならないとします。賞罰欄に犯罪歴を記載しなければならないにもかかわらず記載しなかった場合にはさきほどの基準により解雇の有効性が判断されることになります。




法律あれこれ 一覧へ


Copyright(C)2009 Matsuda law office All Rights Reserved.