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2015年(平成27年)10月15日  木曜日

Q.
  当社では従業員を関連会社に出向させることを考えているのですが、従業員が応じない
  場合には出向を命じることはできないのですか。
  

A.
 出向とは労働者が会社との労働契約を残したまま出向先の指揮命令下で就労することをいいます。出向は労働者を他社の指揮命令下で就労させるという点で労働者供給(職安4条6項)や労働者派遣(労派遣2条1号)に似ていますが、出向と労働者供給の違いは、出向は出向元と労働者が雇用契約を締結している点にあります。また出向と労働者派遣との違いは、出向は出向元と労働者との間において雇用契約関係が生じる点にあります。
 適法な出向は出向先への経営や技術指導、従業員の能力開発やキャリア形成、雇用調整、中高年齢者の処遇など人事上の目的のために行われるものであり「業として」行うものでないため、職業安定法44条で禁止される労働者供給事業や労働者派遣法上の規制に服する派遣事業にあたらないと解されます。
 出向は労働者の承諾その他特別の根拠がある場合に認められます。この労働者の承諾その他特別の根拠とは何かが問題になり、具体的には@労働者の出向時の同意、A事前(特に採用時)の同意、B労働協約・就業規則の出向条項が考えられます。@があれば出向は認められます。@の同意が得られず、AまたはBのみの場合にはそれだけでは十分でなく、就業規則や労働協約等により出向先での基本的労働条件について労働者の利益に配慮した規定が必要と考えられています。
 具体的には期間の限度、出向中の身分、勤続の取扱、賃金、退職金等について労働者の利益に配慮した規定があるかどうかが判断されます。それが満たされれば出向時に労働者の同意が得られなかったとしても出向を命じることができます。




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