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2015年(平成27年)2月5日  木曜日

Q.
 長時間の時間外労働により従業員に健康障害が生じた場合には、どのような問題が生じるのですか。

A.
 長時間の時間外労働により従業員が脳梗塞や心筋梗塞などの脳・心臓疾患やうつ病など精神障害を発症した場合には業務上災害としての労災補償の問題,企業として安全配慮義務違反に基づく責任の問題が生じます。 労災に該当するかの判断基準については厚生労働省によりその認定基準が示されています。
 まず脳・心臓疾患については@発症前6ヶ月間について1ヶ月あたり45時間を超える時間外労働が認められない場合には業務と発症との関連性は弱い,A発症前1か月間に100時間又は2ヶ月から6ヶ月にわたって1ヶ月あたり80時間を超える時間外労働時間が認められる場合は業務と発症との関連性が強いとされています。
 精神障害についても発症直前に極めて長い長時間労働を行った場合や発症前の1ヶ月から3か月間に長時間労働を行った場合などには発症との関連性が強いと評価されます。 
 労災認定された場合には,申請に応じて労働者に対して,療養補償,休業補償(平均給与額の60%),傷病補償年金(1年6ヶ月後),障害補償(一時金),介護補償,遺族補償,葬祭補償等が支給されることになります。
 また業務上災害中の休業及びその後30日間は当該労働者を原則として解雇できません。
 企業の安全配慮義務については,労災認定基準を超える時間外労働をさせた場合には,原則として企業は安全配慮義務違反の責任を負う可能性が高いと考えます。
 その場合には企業は当該従業員が通常に業務をしていたら得られたであろう利益(逸失利益)や慰謝料について損害賠償する義務を負うことになります。





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