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2014年(平成26年)3月25日  火曜日

Q.
  従業員が退職後に同業他社に就職するのを防ぎたいと考えていますが、どのようにすれば
  よいのでしょうか。
  

A.
 同業他社に就職しない義務のことを競業避止義務といい、在職中の従業員であれば労働契約に基づいて当然に競業避止義務を負いますが、退職した場合には労働契約も終了するため一般的には競業避止義務を負いません。そのため退職後に競業避止義務を負わせるために従業員との間の個別の合意、または就業規則や労働協約の定めなど特別の根拠が必要になります。もっとも特別の根拠を具備していれば万全というわけではなく、その内容が従業員の職業選択の自由を不当に侵害するものであれば効力が否定されてしまいます。そのため退職後の従業員に対する競業避止義務の有効性の判断は、競業避止義務を課す必要があるか、過度の制約になっていないかという視点から判断されます。
 具体的には@従業員が秘密に接する地位・職務か、A会社の正当な利益(秘密)の保護を目的とするものか,B競業制限の対象職種・期間・地域が過度の制約になっていないか(期間は1〜2年が限度と考えます)、C代償措置の存否・内容(機密保持手当等)など諸事情を総合考慮して判断されます。したがって、退職後の競業避止義務については採用時に合意書に署名、押印を求めるのみならず、昇進や配置転換時にあわせて従業員の特性に応じた個別合意書を取得することが適切です。
 なお競業避止義務に違反した場合には退職金の減額・不支給、競業行為の差止、損害賠償請求などが考えられますが、事案事に裁判例も肯定する場合と否定する場合がありますので実際に合意書を作成する際には弁護士など専門家に相談することをお奨め致します。





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