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2013年(平成25年)7月30日  火曜日

Q.
  勤務時間外に酒気帯び運転をして摘発され、罰金を受けることになりました。
  職場の上司からは懲戒解雇にすると言われていますが、やむを得ないのでしょうか。
  

A.
 従業員の業務外の行為に対する会社の懲戒処分が有効であるためには、三つの要件が必要です。
 まず就業規則に懲戒事由として規定されている必要があります。次に当該従業員の行為が企業秩序に直接に関連するものであるか、会社の社会的評価を害するものである必要があります。この点について最高裁は、会社の種類、規模、従業員の地位、職種などから会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であるといえることが必要としています。
 三つ目は、懲戒処分の選択が企業秩序維持のために相当なものでなければなりません。その基準として最高裁は、従業員の行為の態様、動機、結果、その前後の態度、過去の懲戒処分歴などを考慮して企業秩序の維持のために相当な処分を選択すべきとしています。
 例えば運送業の運転手が職場外の飲酒運転により摘発された事案について、勧められて飲酒することになり自ら飲酒をしたものでないこと、飲酒後入浴や仮眠を取るなどして大丈夫との判断の上運転を始めていること、酒気帯びの程度が弱かったことなどにより通常解雇を無効と判断したもの(金沢地裁1985年9月13日)と、過去に飲酒運転歴があることなどから通常解雇を有効と判断したもの(大津地裁1989年1月10日)があります。

 ご質問のケースでは、自動車運転をなりわいとする職種に就いていれば運転の経緯、飲酒量、過去の懲戒処分歴などから個別に判断されることになり、そのような職種に就いていなければ特別の事情がない限り懲戒解雇は相当性を欠き、無効と判断される可能性が高いと考えます。






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