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2013年(平成25年)2月12日  火曜日

Q.
  従業員が能力不足であると思われる場合に解雇は出来るのでしょうか。
  

A.
 解雇が有効となるためには、就業規則の解雇事由に該当していることと、解雇の合理性が必要です(労働契約法16条)。
 解雇に対する裁判例の態度は厳格であり、解雇は容易には認められません。能力不足を理由とした解雇が有効であるためには、裁判例を集約すると@著しく成績が不良であるA評価が公正であるB改善の見込みが乏しいC業務に支障が生じていることが必要です。

 @は就労させることがふさわしくないほどの成績不良でなければならず、他の従業員に比べて成績が悪い、という程度では認められない可能性が高いです。ただ当該従業員の能力が労働契約の内容になっている場合、例えば高度の専門能力(技術力、語学力、営業力、専門的知識等)を買って、それに相応した処遇を与えて採用した場合には、裁判所もこの点は緩く判断する傾向にあります。

 Aは誰がどのような方法で評価したのかが検討されます(客観的な数字か、上司の主観のみかなど)。Bは会社による指導・研修はされたか、また他の部署への配置転換、降格などにより是正できないかが検討されます。指導・教育を行っているのであれば、始末書を提出してもらうなどして証拠化しておくべきです。Cは当該能力不足により会社の業務にどの程度の支障が生じているかです。

 お尋ねのような能力不足を理由とした解雇が認められるかどうかはケース・バイ・ケースですが、解雇が有効となるための要件はとても厳しいものになっています。従業員が指導に従わない場合にはすぐに解雇するのではなく、配置転換や他の懲戒処分(戒告、減給、出勤停止、降格等)、退職勧奨などを検討するのもよいと考えます。




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