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2011年(平成23年)9月6日  火曜日

Q.
  会社を経営していますが、従業員が退職し、同業他社に就職することを聞きました。
  退職後の従業員の競業を防ぐことはできますか。


A.
 従業員は在職中、労働契約に基づき誠実義務を負いますので、会社と競業行為を行うことはできません。他方、退職後は会社との労働契約関係はなくなりますので、原則として競業行為は禁止されなくなります。
 そのため会社として退職後も従業員の同業他社就職や、同業独立営業を禁止させたい場合には、その旨の契約書などを提出してもらい、特に合意しておく必要があります。ただ契約書の提出を強制することはできまんので、入社時や、一定のポストに昇進する時に提出してもらうのが適切です。
 誓約書などで特に合意をしていない場合でも、就業規則に定めることで、退職後の競業を禁止することも可能です。
 もっとも競業の禁止は無条件に認められるわけでなく、従業員の職業選択の自由を不当に侵害する場合には無効となります。競業禁止が有効か否かは、

@禁止期間、禁止場所が限定されているか
A禁止される職種が限定されているか
B代償の有無(機密保持手当等支払いの有無)
 
−などを考慮して企業秘密の保護、従業員の職業選択の自由、社会の利害(独占集中の恐れ)の三つの視点に立って検討されます。
 競業禁止が有効な場合には、競業避止義務違反に対して、競業行為の差し止めや損害賠償を請求することが可能です。
 また裁判所では、退職金規定に競業会社に就職するために退職したときには退職金を支給しない旨の定めがある場合で、退職者が従業員の大量引き抜きに行為を行い、会社業務に大きな影響を与えた事案について、退職金不支給規定の適用を認め、退職金の返還を認めたものもあります。




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