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2011年(平成23年)5月17日  火曜日

Q.
  料理店で食事をしてイシガキダイのあらいを食べましたが、帰宅後に下痢、嘔吐になりました。調査の結果イシガキダイに含まれていたシガテラ毒素を原因とする食中毒で、店によると魚は業者から仕入れていたようでした。料理に詳しい知人に聞くと、シガテラ毒素は店が識別することや、調理で排除することが難しいと聞きました。店に対して損害賠償請求をすることは可能でしょうか。




A.
 食品の安全は、生命や健康に大きな影響を与える問題です。店は安全な食品を提供すべき高度の注意義務を負っており、衛生上問題のない原料を使い、製造過程で毒素などの危険を除去する義務があります。店がこれらの義務を怠った過失によって食中毒を生じさせた場合には、不法行為、または債務不履行に基づき損害賠償義務が生じます(民法709条、415条)。
 店の過失が明確でない場合でも、本件では製造物責任法による損害賠償義務が発生すると考えます。製造物責任法は、製造業者が「製造物」の「欠陥」によって生じた損害について過失の有無にかかわらず責任を負うものです。調理した食品も、原材料に加熱、味付けなどを行なって新しい属性・価値を付加したといえるほどに手が加えられていれば「製造物」に当たり、毒素を含むことが「欠陥」といえるからです。従って店に対し、損害賠償を請求することができると考えます。
 また、汚染された原材料を納品した業者に対しても、損害賠償を請求できる可能性があります。店と業者の責任は連帯関係にありますから、店の資力が十分でない場合に業者に請求するメリットがあります。
 請求しうる損害としては、個別のケースによりますが基本的には治療費、通院交通費、休業損害や慰謝料などとなります。



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