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2011年(平成23年)3月22日  火曜日

Q.
  当社の営業社員は社外業務であるため、就業時間を越えて帰社した場合にも残業代を支払っていますが、実際に業務に従事しているかどうかを確認することはできません。「みなし労働時間制」というもので残業代を抑えることができると聞きましたが、どのような制度ですか。


A.
 会社の部署によっては、社員が社外で勤務するために労働時間の算定が困難な場合があります。その場合は、事業外での労働時間の多寡を問わず所定労働時間を働いたものとみなすという「みなし労働時間制」があります(労働基準法38条の2)。この制度を採用すると現実に労働した時間が6時間であろうと、10時間であろうと、所定労働時間分のみ労働したものとして法律上取り扱われます。
 ただし、みなし労働時間制を採用するためには「労働時間の算定が困難」であることが必要です。これは使用者の具体的な指揮監督が及ぶか、及ばないかによって判断されます。
 そのため勤務時間の大半が社外業務の場合でも、例えば携帯電話などによって随時使用者の指示を受ける場合や、訪問先や帰社時刻など当日の業務の具体的指示を受けた後に社外で指示どおりに勤務する場合などには、使用者の指揮監督が及ぶことから採用することはできません。みなし労働時間制は労働時間の管理が困難な場合に認められるのであり、これらのケースは必ずしも時間管理が困難とはいえないからです。
 また、みなし労働時間制を採用することができたとしても、その業務を行うために通常の所定労働時間を越えて働く必要がある場合には、「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」については働いたものとみなされます。その場合は「通常必要とされる時間分」の残業代を支払わなければなりません。


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