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2011年(平成23年)2月22日  火曜日

Q.
   当社の従業員は遅くまで残業をしており、毎月の残業代が高額になっています。
   定額制、年俸制にするなどして残業代を抑えることはできませんか。


A.
 従業員の労働に対してはその対価として賃金を支払わなければならず、法定労働時間(1日8時間)を超えた労働については、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません。
 賃金支払いの対象となる労働時間は、使用者の明示または黙示の指示により業務に従事した時間です。指示は黙示でも足りるので、労働者が残業し使用者が異議を述べない場合や、業務量が所定労働時間内に処理できないほど多い場合も、時間外労働とされ残業代の支払い義務が生じます。
 お尋ねのように、割増賃金に代えて定額の手当、年俸制をとる場合もありますが、それが有効な残業代の支払いとなるには@割増賃金部分とそれ以外の賃金部分を区別できることA時間外手当をそのような形で支払うことが就業規則などで明示されていることB当該手当額が法所定の計算方法による割増賃金金額以上であることが必要です。
 @Aの要件を充足しなければ別途割増賃金を支払う義務が生じ、Bの要件を充足しなければ法所定の計算方法で算出された割増賃金額に不足する金額の請求を受けることになります。いずれにしても定額制や年俸制にすることにより、残業代の支払い義務を免れることはできません。
 残業代を抑えるには明示に残業禁止の業務命令を出し、かつ業務量を所定の時間内に処理できるものにすることが必要です。これらをしておけば仮にこれに反して労働者が時間外業務を行ったとしても、賃金算定の対象となる労働時間にはならず、割増賃金はもちろん通常の賃金の支払いも必要ありません。



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