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2010年(平成22年)8月24日  火曜日

Q.
   当社は不況のため資金繰りが苦しい状態です。労働組合はないのですが、従業員の賃金を
  当分の間2割削減したいと考えています。問題はないでしょうか。


A.
 労働組合がない会社で賃金を減額する方法としては主に@従業員との個別の合意による方法A就業規則の賃金規定による方法があります。
 個別の合意による場合は、後に合意の存否などが問題になることがあるため、書面により合意をしておくことが賢明です。
 また判例上賃金引下げの従業員の同意は、客観的にも自由意志に基づくものでなければならないとされており、引き下げの必要性や変更後の内容、代償措置の有無などについて十分説明を行い、従業員から意見を聞く必要があります。
 就業規則で賃金を決めている場合は、それより低い合意はできませんので、別途就業規則の改訂が必要です。
 従業員から同意が得られない場合、就業規則によって賃金を減額することは可能です。
 ただ就業規則を従業員に不利益に変更することは判例上制限されており、特に重要な労働条件である賃金の減額変更は「高度の必要性に基づいた合理的内容」でなければ無効となります。
 この合理性があるかどうかは@労働者が受ける不利益の程度(減額の程度、期間)A会社側の変更の必要性の程度(経営上の必要性)B変更後の内容の相当性(同種業界、同一地域の賃金水準との比較)C代償措置の有無(勤務時間の短縮、有給休暇の増加など)D従業員との交渉経緯などの要素に基づいて判断されます。
 給与減額には多くの制約があり、減額の必要性のほかに減額幅や期間、減額に至るプロセスなど十分な検討が必要ですので、弁護士など専門家に相談することをお薦めします。



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