Top Pageへ         


               
2010年(平成22年)1月5日  火曜日

Q.
  父が3年前に亡くなり、相続人は姉と私の二人です。遺産は貸家があり、家賃の集金や管理は姉が行っています。私は以前から姉に遺産分割や家賃の分配を求めてきましたが、姉は応じてくれません。遺産分割が成立する前に、私が家賃をもらうことはできないのでしょうか。



A.
 まず貸家の遺産分割ですが、当事者間で協議をし、協議が調わない場合は家庭裁判所で調停を行い、調停も調わない場合には家庭裁判所の審判により判断されます。本件のように長期間協議もできない場合には早めに調停を申し立てた方がよいと思います。
 次に家賃の帰属ですが、@お父さんが亡くなるまでの家賃、A死亡後遺産分割が成立するまでの家賃、B遺産分割成立後の家賃−により異なります。@の死亡するまでの家賃は相続財産として遺産分割の対象となりますが、Aの死亡後遺産分割成立前までの家賃は、遺産から生じる果実であり、遺産そのものではありません。そのため各相続人がその相続分に応じて取得することになります。なお、Bの遺産分割後の家賃は、遺産分割により貸家を取得した人が取得します。
 従って、本件では遺産分割が成立する前であっても、あなたはお姉さんに対し、死亡後に発生した家賃について分配を請求することができます。分配金額は家賃から固定資産税等の管理費用を差し引いた残額の相続分(2分の1)になります。この家賃の帰属は、後にお姉さんが遺産分割により貸家を取得することになったとしても影響を受けません(最高裁平成17年9月8日判決)。
 なお、お姉さんが自己の相続分を超えてあなたが取得する家賃を費消している場合には、遺産分割前であってもその返還を求めることができます(大阪高裁平成元年9月27日判決)。


法律あれこれ 一覧へ


Copyright(C)2009 Matsuda law office All Rights Reserved.