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2009年(平成21年)5月16日  土曜日

Q.
  スナックのホステスをしていますが、店から担当客を決められ、客がツケの支払いをしないときはホステスが立替払いをするとの約束を入店の際にさせられました。担当の客が来ると1000円から3000円の指名料がもらえたのですが、担当客が長い間支払いをしなかったために店から未収金25万円の立替払いを請求されています。支払わなければいけないのでしょうか。



A.
 ホステスと店の経営者との間では、様々な形で未収売掛金をホステスに転嫁する合意がされる場合があります。どのような合意をするかは原則として自由ですが(契約自由の原則)、合意内容が社会的にみてあまりにも妥当性を欠く場合には公序良俗違反により無効となります(民法90条)。
 ホステスと店との立替払い契約の有効性について判断した判例はたくさんありますが、ホステスが利益を得るために締結する事情がある反面、経営者が不当な労働条件を強いる場合もあり、事案ごとに判断が分かれています。
 結局は、契約内容、掛売時のホステスの関与の程度、ホステスの受ける利益等を考慮して、経営者に不当な利益を与え、ホステスに過酷な負担を強いるものか否かにより判断されます。
 判例の一般的な傾向として、経営者が優越的な地位を利用して、経営者の負担すべき危険を回避して労することなく代金の回収を図ることを目的としていることなどを背景に、契約が無効になる場合が多いといえます。
 お尋ねの件では、立替払いの約束によりあなたが得る利益は指名料だけであり、他方で客が支払わない場合にはその何倍もの飲食代金を負担しなければならないため、あなたの負担が過酷と判断され、公序良俗に反し無効となる可能性が高いと考えます。



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